養老孟司さんの「バカの壁」を読みましたので、思ったことをまとめていきます。
まず、この本を読んで一番良かったなと思ったことが、「視座が上がる」とはこういうことか!と少しだけ実感することができたことですね。
メタ視点ゲットだぜ!みたいな。ちょっと視野が広がった感覚。
本を読むっていいな、と素直に思い、他の本をたくさん読んでみようと思ったきっかけにもなりました。伊達に450万部も売れてないぜ……。
「バカの壁」とはなにか
バカの壁とは、端的に言えば、「知っている」ということと、「理解している」ということの間にある、隔たりのことを指しているのだと理解しました。
雑学と常識の間にある隔たり。知識と知性を分けるもの。認知とメタ認知の間にあるもの。
もう少し具体的にするなら、情報に対して、自分が脳内でその情報をどのように受け取って、どういう反応をするのかという「自分の中の情報に対する姿勢」のことですね。
受け取った情報を、なかったものとして無視してしまったり、表面的な部分のみを理解したつもりになってしまう状態、それが「バカの壁」がある状態であると言えます。
脳の中の係数
2章で、y=axという公式が出てきます。
この公式は、人が五感から入力(情報)を受け取り、その後、運動として何らかの出力(反応・行動)をする間に、脳が何をしているかを表した公式です。
それぞれの記号がどういう意味かというのをまとめるとこんな感じです。
x: 入力(受け取る情報)
y: 出力(どう反応するか)
a: 係数(自分の中の原則)
x という入力を受け取って、y として出力するために a という係数が働く。
その情報に対して持つ係数、つまり、自分がその情報をどう受け取って、どう反応するかという、あらかじめ自分が心に持っている、反応の仕方(脳の中に持っている原則)が a という係数になります。
この a がプラスの値を持っていた場合、出力(反応)としては「ポジティブ」なものになりますし、マイナスの場合、「ネガティブ」な反応になります。
a が 0 の場合、反応としては「無反応・無関心」な状態ということですね。
プラスの状態でも、無限大の状態、つまり、その入力に対して絶対的な思い込み、極端に信じ切っている状態は、とても危険な状態だと言えます。
この値が 0 の状態や、無限大になってしまっている場合「バカの壁」がある状態だ、と著者は言いたいわけですね。
バカの壁を超えるということ
具体的なイメージがしにくいと思うので、この「バカの壁」という本を例に挙げてみます。
養老孟司さんの「バカの壁」という本、ベストセラーになっているという有名な本であるということは知っていました。しかし、実際に読んではいませんでした。
つまり、本を実際に読んで、内容を理解する前のこの本に対する認識(出力)はこんな感じですね。
「バカの壁、養老孟司さんが書いた本で、ベストセラーになってるやつでしょ。知ってるよ。読んでないけど。」
この状態が、バカの壁について「知っているだけ」という、バカの壁に対して、バカの壁がある状態です(例えがわかりにくいですねすいません)。
これを、実際に、読んでみて、内容を分析し、アウトプットに努め、ブログに書いてみる。人に説明できるようにまで、理解する。そして、バカの壁というものがあるという認識をして、物事は知っているだけじゃなく、ちゃんと内容を理解して、それを実践することが大切なんだなと、認識を変える。
つまり、これがバカの壁を超えて、「バカの壁を知っている」ではなく、「バカの壁を理解している」という状態になった。ということですね。
今後も一つ一つ、いろいろなバカの壁を超えて視座を高めていきたいと思った、そんな本でした。さすがベストセラーになった本、ぜひ読んで見てほしい一冊ですね。
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