Webの発展はブラウザの進化と切り離して考えることはできません。
Webが生まれて2021年でちょうど30年。数多くのブラウザが生まれ、いくつかは消えていきました。ここでは主要なブラウザの歴史を年表で振り返ってみます。
ブラウザの歴史年表
年月 | できごと |
---|---|
1991年8月 | 世界初のウェブブラウザ WorldWideWeb(ワールドワイドウェブ) 登場。 |
1993年11月 | 世界で一番最初に普及したブラウザ NCSA Mosaic(モザイク)登場 画像が扱えるようになる |
1994年10月 | Netscape Navigator(ネットスケープ ナビゲーター)登場 |
1995年4月 | Opera登場 |
1995年8月 | Windows95 発売と同時に Internet Explorer(インターネット エクスプローラー)登場。 |
1996年3月 | NetScape Navigator に Javascript が実装 |
2003年6月 | Safari(サファリ)登場 |
2004年11月 | Firefox(ファイアーフォックス)登場 |
2008年2月 | Netscape Navigator サポートを終了 |
2008年3月 | Safari に CSS3 が実装 |
2008年12月 | Google Chrome(グーグルクローム)登場 |
2009年6月 | Firefox に HTML5 が実装 |
2015年7月 | Microsoft Edge(マイクロソフトエッジ)登場 |
2020年1月 | Microsoft Edge が Chromium ベースに刷新 |
Webの誕生(1991~)
1991年の8月に、ティム・バーナーズ・リー氏が、最初のウェブブラウザ「WorldWideWeb」とHTMLを発表。「web」という概念が誕生します。
1993年の3月には、「NCSA Mosaic(モザイク)」でブラウザに画像を表示できるようになりました。Internet ExplorerやFirefoxなど、のちに登場したブラウザはMosaicを参考に作られました。すべてのブラウザのご先祖様のような存在ですね。
Netscape Navigator の登場(1994年~)
1994年10月に、MOSAICの開発者が「NetScape Navigator」(開発名は「Mozilla」)を発表。「ブラウザといえばネスケ」という時代が訪れました。
以降、「Mozilla」はGeckoエンジンを搭載したブラウザの総称となりました。MozillaはMOSAIC KILLER(モザイク・キラー)の短縮系で、Godzilla(ゴジラ)の名前を参考に名付けられたそうです。
NetScape Navigatorが全盛期だった時には、Mozilla以外のブラウザをはじく(表示できない)Webサイトが多かったため、Internet Explorer他、多くのブラウザのUA(ユーザーエージェント情報)に現在も「Mozilla/5.0」などの記述が名残として残っています。
Internet Explorer一人勝ち(1998~)
1995年8月、Internet Explorerを標準ブラウザとして搭載していたWindows95が爆発的に売れ、1998年にはNetScape Navigatorを抜いてInternet Exploreがシェアトップに躍り出ました。
Internet Explorerは独自の仕様を取り入れて独自に発展していったため、Internet Explorerで表示するようにページを作るとFirefoxやNetscapeで正しく表示されない(逆もしかり)という、いわゆる「複数ブラウザ対応」問題が深刻になっていきました。ブラウザの仕様によって表示が異なるという問題は、2020年ごろまでWebページを制作するエンジニアにとってかなり頭を悩ませる問題でした。
Internet Explorerは、Mac用にも提供されていましたが、2003年6月に開発を終了。時を同じくして、MacにはSafariが登場。当初はWindows用Safariも提供されていましたが、2012年7月にWindows向けSafariは提供を終了しました。
Firefoxという伏兵(2004~)
2004年11月にFirefoxが登場します。FirefoxはNetScapeの流れを汲むブラウザで、Geckoエンジンを搭載してIEよりも表示が早いというのも人気の一つでした。また、豊富なアドオンで自由にカスタマイズできるブラウザとして、Internet Explorerに次ぐ人気を博します。
Google Chrome爆誕(2008~)
2008年12月、Google Chromeが登場します。IE・Firefoxと比べると、Webサイトの表示が非常に速いということで、徐々に人気を獲得していきました。
現在(2021~)
現在は圧倒的な使いやすさを武器に、Google Chromeがシェアを6割以上を占めています。
SafariもiPhone・Macに搭載されているのでまだシェアを保っていますが、MacでもChromeを使うという人は増えてきている印象です。
Microsoft Edge も、2020年に独自のエンジンでの開発をやめ、Chromiumベースになりました。
今後もChromeの勢いは衰えないのか、シェアを奪うような新たなブラウザが登場するのか、Webの未来についてはまだ誰にもわかりませんが、時代とともに移り変わっていくブラウザはとても面白く興味深いですね。
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